ADVATEK テクニカルガイド 【Vol.5 Art-Sync、sACN Sync、Auto Sync の仕組み】
ADVATEK テクニカルガイドVol.5
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第5回となる本記事のテーマは「Art-Sync、sACN Sync、Auto Sync の仕組み」です。
それでは早速、本編をどうぞ!
Art-Sync、sACN Sync、Auto Sync の仕組み
▼Synchronous Mode(同期機能)とは?
Synchronous Mode(同期機能)とは、照明システム内のすべての PixLite が同じタイミングでフレームを出力するための仕組みです。
Ethernet 経由で照明データを送信しているソフトウェアまたは制御機器が、接続されたすべてのデバイスを自身に同期させるための追加データを生成します。この機能は、複数の PixLite が映像コンテンツや急激に変化するデータに同時に応答する場面で特に効果を発揮します。
PixLite Mk3 は Art-Sync と sACN Sync の両方に対応しており、外部の同期信号がない場合に備えた Auto Sync 自動補完機能も内蔵しています。
※PixLite Mk2(旧製品)は Art-Sync のみの対応です。

(デュアルギガビットEthernetポートを搭載したPixLite Mk3デバイスのネットワークマップ)
▼Synchronous Mode が解決してくれる問題
sACN(E1.31)または Art-Net で照明データをネットワーク送信する場合、universeのデータはそれぞれ個別の Ethernet パケットとして送られます。これらのパケットは、1台または複数のネットワークスイッチを経由して各 PixLite に届きます。
パケットの到達までにかかる時間や到達順序は、制御しにくい複数の要因によって変わります。そのため、各 universe のデータがいつ PixLite に届くかはネットワーク側では保証できず、複数の PixLite がそれぞれ微妙に異なるタイミングでデータを受信することになります。
また、PixLite ごとに設定が異なる場合、それぞれ異なるフレームレートで動作している可能性もあります。仮にすべての PixLite のリフレッシュレートが同じだったとしても、フレームの出力を同じタイミングで開始させる方法はありません。
こうした要因が重なると「tearing(ティアリング)」と呼ばれる問題が発生することがあります。これは、異なる PixLite が同じ瞬間に異なるフレームのコンテンツを表示している状態です。理論上は、1台の PixLite 内でも(ごくまれに)同様の現象が起こりえます。Synchronous Modeはすべてのデバイスに同時にフレームを出力させることでこの問題を防ぎ、照明システム全体の映像品質を高めます。
▼Synchronous Mode の基本的な仕組み
照明データの送信元は、1フレーム分のすべての universe のデータを通常通り送信します。その後、各デバイスがパケットを受信するのに十 分な短い時間だけ待機し、すべてのデバイスに対して特別な同期パケットを送信します。
この同期パケットはほぼ同時に全デバイスに届き「受信済みのデータを反映して、出力を更新してよい」という合図になります。各デバイスはこの合図を受けて出力を更新し、次の同期パケットが届くまで出力を変えません。
この繰り返しによって、すべてのデバイスの同期が保たれます。
▼同期機能を有効にするには
Synchronous Mode への対応状況は送信ソフトによって異なるため、お使いのソフトのメーカーにご確認ください。送信ソフト側で有効になっていれば、PixLite は自動的に同期機能を使用します。
PixLite Mk3 は Art-Sync と sACN Sync の両方に対応しており、PixLite 側での設定は不要です。なお後述しますが、同期機能の状態はモニタリング可能です。
※PixLite Mk2(旧製品)は Art-Sync のみの対応です。
▼同期機能のモニタリング
PixLite 側での設定は不要ですが、同期機能の状態や各種統計情報は Management Interface (PixLite Mk3)でモニタリングできます。

(Statisticsページの表示例)
Web Interface の Statistics ページを開き、以下の各パネルで関連情報を確認してください。 ・Pixel Data ・Auxiliary Output Data ・sACN (E1.31) Universes ・Art-Net Universes
▼Auto Sync 自動補完機能
外部からの同期信号が入力データに含まれていない場合、PixLite Mk3 は内部アルゴリズムでフレームの終端を検出し、送信元のフレームレートにできる限り近いタイミングでデータを出力します。外部同期が確立された場合は、自動的にそちらを優先して切り替えます。
この自動補完は設定や操作なしに機能するため、外部同期の有無にかかわらず、PixLite Mk3 のすべての出力は常に同期された状態を保ちます。
ただし、複数台を使用する場合は外部同期の使用を推奨します。外部同期を使用することで、より高い映像品質が得られるためで
す。
▼sACN 同期使用時の注意点
sACN Sync では、universe ごとに個別の同期パラメータを設定できます。これにより、複数の sACN 送信元が存在し、それぞれが異なるエ リアを制御するような大規模な構成でも、互いに干渉することなく独立した同期を実現できます。
各 universe で設定できる同期パラメータは以下の2つです。
- Force Synchronization:同期信号がない場合やタイムアウト時に、Auto Sync 自動補完機能へ切り替えることを禁止するオプションです。
- Synchronization Address:同期パケットを受信するための Multicast アドレスです。
PixLite Mk3 では、1つのピクセル出力に複数の universe を使用することがあります。この場合、該当するすべての universe に同じ同期パラメータを設定してください。設定が異なると、デバイスが各 universe の指示に矛盾なく従うことができなくなります。
PixLite Mk3 の Auxiliary DMX512 出力を使用する場合、その universe の同期パラメータはピクセル用の universe とは別に設定できます。Auxiliary DMX512 出力はピクセルのフレーム出力とは独立して動作するためです。
Synchronous Mode は、複数の PixLite が急激に変化するデータに同時に応答する場面で特に重要です。そのような現場では、PixLite Mk3 をご検討ください。同期機能をはじめとする豊富な機能が、あなたの照明システムに最適なソリューションを提供します。
▼より良い映像品質のために
ピクセルシステムの映像品質を最大限に引き出すには、適切な同期設定と universe の管理が重要です。PixLite Mk3 をお使いの場合、以下の点を推奨します。
まず、可能な限り外部同期を使用してください。使用するすべての Art-Net および sACN の universe で、Art-Sync と sACN Sync を有効にします。外部同期が使用できない場合は、以下の2つの設定により Auto Sync 自動補完機能がより安定して動作します。
- 「optimize frames」を無効にする:この設定は、前回から変化のない universe をフレームから省略するものです。有効になってい
ると、コントローラーが届かない universe をしばらく待ち続けた後にパケットの欠落と判断するため、出力のジッターが増加します。
送信ソフト側で「optimize frames」を無効にすることで回避できます。 - universe 番号を連番にする:コントローラーが受信すべきすべての universe に、連続した番号を割り当ててください。番号に欠番がないほど、コントローラーがフレームを認識しやすくなり、Auto Sync の精度が向上します。デバイスの設定時には「Auto Patch」の使用を検討してください。
▼最後に
いかがでしたか?
Synchronous Mode は、複数の PixLite を使った大規模な演出でフレームの出力タイミングを揃えるための重要な機能です。
PixLite Mk3 はArt-Sync、sACN Sync、Auto Sync 自動補完機能をすべて搭載しており、外部同期が使えない環境でも安定した出力を維持できます。
同期設定やシステム構成でお悩みの方は、お気軽に裏方屋までお問い合わせください。
本記事は、Advatek社の記事を許可を得て翻訳・掲載したものです。
(原文:Art-Sync, sACN Sync & Auto Sync )
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