ADVATEK テクニカルガイド 【Vol.2 Dithering と Gamma Correction の仕組み】

ADVATEK テクニカルガイド 【Vol.2 Dithering と Gamma Correction の仕組み】

ADVATEK テクニカルガイドVol.2

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第2回となる本記事のテーマは「Dithering と Gamma Correction の仕組み」です。 それでは早速、本編をどうぞ!

Dithering と Gamma Correction の仕組み

はじめに

ADVATEK の第3世代ピクセル制御ファームウェアにより、PixLite® Mk3 シリーズはすべての解像度のピクセルに対して Gamma Correction(ガンマ補正)を適用できるようになりました。さらに対応するピクセルでは、解像度を擬似的に向上させる Dithering モードも搭載されています。非常に高速なリフレッシュレートで動作する場面では、Dithering が擬似的に高解像度のピクセル制御を作り出すため、8bit ピクセルでも Gamma Correction がより効果的に働きます。Dithering の詳細は後述します。

Dithering と Gamma Correction は、最先端の Mk3 プロセッサに搭載された数多くの機能のうちの2つにすぎません。これらの機能により、ピクセル表現はよりなめらかになり、高速かつダイナミックなエフェクトも安定して表示できるようになりました。さらに、実際よりも高解像度に見えるピクセル表現も可能です。一言で言えば、PixLite® Mk3 ではピクセルがより美しく見えるのです。

人間の目はどのように光を感じているか

人間の目は、光の変化をリニアには感じられません。目は暗い光ほど敏感に反応します。
そのため、ピクセルライトを0%から100%までリニアに明るくしていくと、明るい側よりも暗い側での変化のほうが、ずっと大きく感じられます。

Gamma Correction の仕組み

Gamma Correction とは、相対的な輝度レベルを「対数カーブ」に合わせて調整する手法です。
カーブの形状は LED の特性に応じて変えられます。ピクセル照明では、ガンマ値を1〜3の範囲で設定し、人間の目に自然に見えるよう光の出力を最適化します。具体的なカーブの形状は後述のグラフをご参照ください。

PixLite コントローラは、送信ソフトからピクセルの光量を制御するデータを受け取ります。Gamma Correction が有効になっていると、受け取った輝度の指示値は各カラーに設定された「対数カーブ」に沿って変換され、実際の出力輝度が決まります。

下の例では、ピクセルを5秒間で0%から100%までリニアにフェードアップするようにプログラムしたときの、各ガンマ値による見え方の違いが確認できます。

◆ Gamma Correction でピクセルが美しく見える理由

Gamma Correction を適用したピクセルには、大きく2つのメリットがあります。よりリニアなフェードと、よりリアルで鮮やかな色表現です。

先述のように、人間の目は暗い光ほど敏感に反応するため、Gamma Correction はその知覚特性に合わせてピクセルの出力輝度を調整します。これにより、フェードアップ時に暗い側で起きがちな急激な変化が抑えられ、調光カーブは人間の目にずっとなめらかに映ります。

暗い光への感度の高さは、色の知覚にも影響します。低い輝度域では、人間の目はより多くの色の違いを感じ取れます。たとえば、ピクセルを真っ赤に設定した状態でグリーンを5%から10%に上げるだけで、その間に知覚できる色は非常に多岐にわたります。鮮やかなオレンジや深みのあるマゼンタは、一方の色にもう一方をわずかに混ぜることで生まれます。

しかし暗い側の輝度変化が補正されていないと、こうした色の豊かさは失われてしまいます。これが、Gamma Correction によってピクセルライトがより鮮やかに見える理由であり、Mk3 プロセッサに Gamma Correction が搭載されている意義も、まさにここにあります。

◆ Gamma Correction と色の解像度

照明ソフトは通常、各 LED に対して8bitのデータを出力するため、輝度の「レベル」は256段階から選択できます。Gamma Correction が無効の場合は、ピクセルライトはこの256段階の入力に対して出力も1対1で対応します。しかし Gamma Correction を有効にすると、自然な調光レスポンスと色の再現性は上がる反面、輝度のなめらかさが下がります。

12bit や 16bit といった高解像度のピクセルを使用する場合、上記の問題はほぼ気になりません。16bit の色解像度では、選択できる輝度レベルが 65,536 段階にまで増え、非常に微細な輝度調整が可能になります。
下の例では、8bit と 16bit の比較として、3秒間で輝度を0%から5%まで上げた場合の違いを示しています。高解像度のピクセルライトがいかに優れているかは一目瞭然です。
どのピクセルが自分の用途に合うか詳しく知りたい方は、Supported Pixel Protocols  のリストをご参照ください。

Dithering(デザリング)

8bit ピクセルは輝度レベルが切り替わるとき、その段差が目に見えてしまうことがあります。Dithering は、このレベルとレベルの間に中間の明るさを作り出す技術です。
Dithering を使うと、ピクセルの輝度は次のレベルに単純に「ジャンプ」するのではなく、隣り合う2つのレベルを人間の目では検知できないほど高速に行き来することで、その中間の明るさを擬似的に作り出します。この状態を下の図で示しています。

リフレッシュレートと PWM レートの重要性

Dithering が正しく機能するには、PixLite コントローラがピクセルライトの輝度を、入力データよりも速いレートで更新する必要があります。

コントローラに接続されたすべてのピクセルへのデータ出力にかかる時間は、各出力に接続されているピクセルの種類と数によって決まります。接続するピクセルが多いほど、また通信速度が遅いピクセルほど、出力に時間がかかります。この処理に時間がかかりすぎると残像効果が損なわれ、フリッカーが発生することがあります。Dithering の機能を有効に使うには、目安として出力フレームレートが 100FPS 程度必要です。

Dithering が正常に機能するには、ピクセルへの出力信号のレートが照明ソフトからの入力信号のレートを上回る必要があります。擬似的な中間の明るさを作り出すために輝度を複数回切り替える必要があるため、コントローラが輝度の切り替えを完了する時間が必要だからです。これに余裕を持たせるためには、出力信号のレートは入力信号のレートの4倍以上が理想です。

また、ピクセルライト自体にも固有の PWM レートがあります。PWM とは、LED を非常に高速にオン・オフすることで知覚される明るさを制御する方式です。Dithering が正常に機能するには、LED 自体がその切り替え速度に追いつけるよう、PWM レートも十分高い必要があります。なお、コントローラの送信レートが LED 自体の PWM レートを超えてしまうと予期しない動作につながるため、設定には注意が必要です。

Dithering と Gamma Correction は、Mk3 プロセッサに搭載された数多くの機能のうちのほんの2つです。ぜひ PixLite A4-S Mk3 の詳細もご覧ください。

最後に

いかがでしたか?
Dithering と Gamma Correction は、一見難しそうなテーマですが「人間の目の特性に合わせてピクセルをより美しく見せる技術」です。
PixLite Mk3 はこれらの機能を標準搭載しており、8bit ピクセルでもその恩恵を受けられるのが大きな特徴です。
「自分の現場に合った設定が知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

本記事は、Advatek社の記事を許可を得て翻訳・掲載したものです。
(原文:Choosing the Right Pixel Protocol 
※記事内の画像および文章の無断転載・複製を一切禁止します。

Advatek Lighting Pty Ltd

Advatek Lighting Pty Ltd(オーストラリア・メルボルン拠点)は、2012年の創業以来、最先端のLEDピクセルコントローラを設計・製造し、イベント、コンサート、アーキテクチャ・テーマパーク・映像制作等の世界的なプロジェクトを支えてきたメーカーです。品質・信頼性・サービスを妥協せず、グローバル展開しています。

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