DMXコンパウンダー ノススメ

照明現場でのケーブル配線は、手間がかかり、コストも高くなりがちです。特にDMXケーブルを複数本使用する場合、その長さや数が増えるほど作業負担が大きくなります。
そこでおすすめしたいのが、CポイントのDMXコンパウンダーです。
DMXコンパウンダーとは
DMXコンパウンダーは、DMX信号をネットワークケーブルにまとめて送信できるアダプターのことです。通常、DMX信号を送るには専用のDMXケーブルを使用しますが、DMXコンパウンダーを使うことで、ネットワークケーブル(例えばカテゴリー5以上のケーブル)を代用することが可能になります。
これにより、配線がシンプルになり、現場での作業がとても楽になります。特に、複雑な照明演出を行う際にその便利さが際立ちます。
ここが便利!
- ネットワークケーブルの利便性:
DMXケーブルを複数本引く代わりに、ネットワークケーブル1本で複数のDMXユニバースを送信できるため、設営が簡易化されます。特に簡易的な現場や人手が少ない現場で有効です。 - コスト削減:
DMXケーブルは高価ですが、ネットワークケーブルは比較的安価です。 - バックアップとしての活用:
DMXケーブルがトラブルを起こした場合、ネットワークケーブルを予備として使用することで現場の安定性を確保できます。
こんな現場にオススメ!
- 簡易的なイベント現場:
設営や撤収が迅速に行えます。 - 人手が少ない現場:
ケーブルの取り回しが簡略化され、作業負担が大幅に軽減します。 - 大規模な照明設置が必要な現場:
一本のケーブルで複数のDMXユニバースを送れるため、設営が効率化できます。 - バックアップ用の配線が必要な現場:
DMXケーブルのトラブルに備えて、ネットワークケーブルを予備として活用できます。
どうやってネットワークケーブルでDMX信号を送信するの?
「DMX信号をネットワークケーブルで送るってどういうこと?」と思う方もいるかもしれません。実は、DMX信号はRS485という規格に基づいており、この規格はネットワークケーブル(Cat5以上)でも対応可能なんです。
ネットワークケーブルは8芯構造で、DMX信号に必要な2芯を複数セットで割り当てることができます。
DMXケーブルは通常2芯(5Vプラス、マイナス)+コモン、で構成されています。5pinあるのになんで?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。DMX規格が確立された時に、4&5ピンは将来的な拡張用のために予備として規格内に盛り込まれました。ただ1990年にあった規格更新からいまだに4&5ピンは未使用となっています。
ネットワークケーブルケーブルは「ツイストペア線」と呼ばれる構造を持ち、通常8芯で構成されており、4ペアのツイストペア線が含まれています。
それが、下図のように繋がるわけです。
問題ないの?
米国のESTA (Entertainment Services and Technology Association)はDMX信号の使用に関する規格を定めており「DMX信号をネットワークケーブル(Cat5以上)で送信する場合、最大300メートルまでの距離で安定した信号送信が可能」としています。また、ETC社はETC社のデバイスを使用する場合は、500メートルまで可能としています。
ESTAによる検証:
https://tsp.esta.org/tsp/working_groups/CP/docs/DMXoverCat5_P3.pdf
ETCの資料:
https://support.etcconnect.com/ETC/FAQ/DMX_Over_Cat5
具体的な使い方
- 調光卓の各DMXユニバース出力ポートからCポイントのRJ45>XLRアダプター+ネットワークケーブルを使ってコンパウンダーに接続します。
- コンパウンダーを延長ネットワークケーブルに接続します。
- ネットワークケーブルを照明機材が設置されている場所まで引きます。
- 照明機材側で再びコンパウンダーを使い、ネットワークケーブルからDMX信号を分配します。
DMXコンパウンダーを使う利点と注意点
DMXコンパウンダーを使う最大の利点は、配線作業の効率化とコスト削減です。1本のネットワークケーブルで複数のDMX信号を送信できるため、ケーブルの量を減らすことができます。また、ネットワークケーブルは安価で手に入りやすいので、予算を抑えたい現場にも最適です。
ただし、注意点もあります。ネットワークケーブルは90度以上曲げると内部の芯が折れる可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。そのほかにもRJ45のツメの部分が折れやすいという点もあります。
(RJ45を保護されたい方はこちらの商品:https://www.urakataya.com/product/10107もおすすめです)
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裏方屋では、2種類のDMX Over Ethernet (DMX信号をネットワークケーブルを使っての配信)製品をご用意しています。
最大3 Universe対応 (シールド付き、なし関係なくネットワークケーブルに対応) |
4 Universe対応 (シールド付きのネットワークケーブルのみ対応) |
各種アダプターのご用意もございます。
CポイントのDMXコンパウンダーは、照明現場での作業を効率化し、コストを削減する画期的なアイテムです。ぜひ、次回のイベントや現場で導入してみてください!