ピクセル制御って何? 〜知っておきたい、ピクセル制御の仕組み〜
裏方屋ドットコムが正規代理店を務める ADVATEK。
数多のプロの現場で選ばれ続けるピクセルコントローラー「PixLite」シリーズを手がける、オーストラリアのメーカーです。
その ADVATEK より、今回ピクセル制御について基礎から実際の活用事例までをわかりやすくまとめた解説資料を提供してもらいましたので、裏方屋ではこの資料をもとに日本のユーザーの皆さま向けの記事をお届けすることにしました。
本記事では、ピクセル制御についての基本的なところを、ひととおりご紹介します。
それでは早速、本編をどうぞ!
ピクセル制御って何?
〜知っておきたい、ピクセル制御の仕組み〜
▼ピクセルコントローラーってどんなもの?
ピクセルコントローラーとは、照明コントローラーと、一粒ずつ個別に制御できるピクセルLED(アドレッサブルLED)との間に入る、インテリジェントなデバイスです。上流から送られてくる制御データ(eDMX*1 / DMX など)を受け取り、それを個々のピクセル向けのデジタル信号(SPIと呼ばれることもあります)に変換して送り出します。
*1 /eDMX とは「Ethernet DMX」の略で、Art-Net や sACN のように Ethernet ネットワーク経由で照明データを送る方式の総称です。一方の DMX512 は、1本のケーブルで信号を届ける従来からの方式を指します。
ピクセルコントローラー
LEDテープ / LEDピクセルドット
▼︎ピクセルコントローラーの役割
ピクセルコントローラーは照明データの「通訳さん」のような存在です。
照明卓やメディアサーバーが話す言葉(Art-Net や sACN、DMX)を、LEDテープやピクセルドットが理解できる言葉へと、その場で翻訳して橋渡しします。
この「通訳さん」は、具体的には次の3つの仕事をこなしています。
- データの整理
送られてくる照明データを順番待ちの列に並べ、ピクセルが一度に大量の情報を浴びて混乱しないよう、過不足なく送り出します。 - 割り当て(マッピング)
どのピクセルを、あるいはどのピクセルのまとまりを、どのように光らせるのか、一つひとつの宛先を指示します。 - 信号の生成
正確なタイミングで精密な信号を送り出し、それぞれのピクセルが「いつ光ればいいか」を取り違えないようにします。
照明データを受け取り、整理し、宛先を割り振って、正しいタイミングで送り出す。 この一連の働きがあるからこそ、たくさんのLEDが思いどおりの絵を描けるのです。
では、その指示を実際に受け取って光るピクセルの側は、どんな仕組みになっているのでしょうか。
▼ピクセルIC(チップ)ってなに?
ピクセルICとは、一つひとつのピクセルの中に組み込まれた小さなチップで、「何色で、どのくらいの明るさで光るか」をLEDに指示する部品です。ICは、PixLite Mk3 のようなコントローラーからデジタルのピクセルデータを受け取り、その指示どおりにLEDを光らせます。
前項でも軽く触れましたが、照明データは、次のような流れでピクセルへと届きます。
照明データの送信元(sACN や Art-Net)から送り出されたデータを、ピクセルコントローラーが受け取り、ピクセルへと中継します。そして、各ピクセルの中のICがそのデータを解釈し、LEDを指示どおりに発光させる。
これが、ピクセルが光るまでの一連の流れです。
◆チップの個性
ひとくちに「ピクセルIC」といっても、その種類は非常に豊富です。 ADVATEK は現在95種類以上のチップに対応しており、対応チップは今も増え続けています。そして、チップごとに少しずつ「個性」が異なります。
例を挙げると、
- 信号方式
クロック線で同期する方式(Clocked)か、データ線のみで制御する方式(Data-Only)か - バックアップ機能
データ線の断線に備えたバックアップ用データ線を持つもの - カラー形式
RGB / RGBW / RGBCCT(白色や色温度の調整まで扱えるタイプ)など - 性能
色の解像度やPWMレートの違い、デジタル電流制御など(撮影時の見え方や色の精度に影響) - LEDとの一体化
ICがLEDの中に組み込まれた「IC内蔵型」か、LEDの外に別チップとして付く「外付け型」か
このような属性の組み合わせによって、そのチップが「どんな現場に向いているか」が変わってきます。
▼どんな場所で使われているの?
ピクセル制御は、空間にそっと溶け込む控えめな光から、建物全体を覆う迫力ある演出まで、実に幅広い表現を可能にします。おしゃれなナイトスポットのなめらかな雰囲気も、摩天楼にそびえる光のファサードも、観客が光の中に入り込む没入空間も、すべて同じピクセル制御の技術から生まれています。
その自由度の高さから、ピクセルコントローラーはジャンルを問わず、さまざまな現場で活躍しています。代表的な活躍の場をいくつかご紹介します。
◆建築照明
ビルのファサード(建物正面)や橋、塔といった構造物そのものを、光のキャンバスへと変えます。昼間はただの建物だった外観が、夜になると色や模様をまとって表情を変える。
街のランドマークを演出する使い方です。
◆︎エンターテインメント
コンサートやフェスのステージ、各種イベントなど、人を魅了する現場での定番です。ステージセットに組み込まれたLEDが音楽に合わせて躍動し、観客の高揚感を一段と引き上げます。近年では、テレビの音楽番組のように、カメラを通して映し出される演出にも数多く使われています。
◆︎テーマアトラクション、公共インスタレーション
テーマパークのアトラクションや、駅、広場といった公共空間の装飾にも活躍します。多くの人の目に触れ、長期間にわたって稼働し続ける場所だからこそ、安定して動き続ける信頼性が求められます。
◆︎メディアインスタレーション、デジタルアート
光や映像そのものを表現の素材にした、アート作品の分野です。壁や天井をLEDで覆って空間全体を変化させたり、無数のLEDを立体的に配置して光の彫刻のように見せたり——観客がその中に入り込んで体験する、没入型の作品が作られています。
◆商業サイン、ブランディング
店舗やショッピングモールの装飾、企業のサイネージなど、商業空間を彩る用途です。ブランドの世界観を光で表現し、訪れる人の印象に残る空間を作り出します。
▼最後に
いかがでしたか?
今回は「ピクセル制御とは何か?」をテーマに、照明データをピクセルへと橋渡しするピクセルコントローラーの役割、ピクセル一粒一粒の中で色と明るさを生み出すピクセルIC、そしてピクセル制御が活躍するさまざまな現場を簡単にご紹介しました。
ピクセル制御でいちばん大事なのは「正確さ」です。何千、何万もあるLEDを一粒ずつきっちり制御できるからこそ、ただの光の点の集まりが、意味のある模様や動きのある映像になります。一粒でもズレれば、全体の見え方は崩れてしまいます。
そして、その真価がもっとも発揮されるのが、大規模な現場です。
次回は、25万を超えるピクセルと250台のコントローラーが投入された巨大プロジェクト「Sound Storm」を題材に、ピクセル制御が実際の現場でどのように使われているのかを、具体的にご紹介したいと思います。
裏方屋ドットコムでは、本記事で紹介したピクセルコントローラーをはじめとしたLEDピクセル制御に必要な ADVATEK製 PixLite シリーズを各種取り扱っています。

