本番を止めるな!~バックアップ卓&スイッチの基礎知識~

舞台やライブイベントの現場で、もっとも避けなければならないのが 突然の暗転。
本番用の照明卓(本卓)はパソコンや専用ハードウェアで構成されているため、万が一の故障やトラブルが起こることもあります。
そんなとき、会場を真っ暗にしないために必要なのが バックアップ卓 です。
今回は、基本の考え方から導入のパターン、そして バックアップスイッチ の重要性まで解説します。
バックアップ卓とは?
バックアップ卓とは、本番用の卓(本卓)が故障した場合に備えて 明かりを維持するためのシステム のこと。
舞台が真っ暗になることは絶対NGとされるため、特に重要な設備です。
バックアップ卓の種類
1◆ ネットワーク同期型バックアップ:難易度高
本卓とサブ卓(バックアップ卓)をネットワークで同期させておき、本卓がダウンすると自動的にサブ卓へ切り替わるシステム。
- 大規模現場や海外ツアーなどで使用例多数
- 専用のネットワークスイッチや同期設定が必要
- 高度なシステム構築が求められる
【例】MA Lightingの大型卓+同期用サブ卓
※構築はかなりテクニカルで専門知識が必要です。裏方屋では機材選定のお手伝いが可能ですので、お問い合わせください。
2◆ 簡易型バックアップ卓:難易度低
もっと小規模な現場では、よりシンプルな方法もあります。
ETC スマートフェードなどの簡易卓を本卓と照明の間に接続し、事前に照明データをキャプチャーしておく方式です。
ほとんどのバックアップ卓は、本卓からのDMX信号を通すことで「今でている明かりをキャプチャーする」ことができます。
なので、事前に1番フェーダーにシーン1の明かりをキャプチャーしておく、2番フェーダーに客電の明かりをキャプチャーしておく…というような作業をしておくことで、本番中に本卓が故障した場合でも、フェーダーに記憶させておいた明かりを再生することで、明かりを維持できます。
- 小型・省スペース・低コスト
- 準備が比較的簡単
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バックアップスイッチの重要性
必ずセットで考えてほしいのがバックアップスイッチ です。
多くの照明卓は、DMX信号を直接受け取ることができないため、卓A → 卓B に切り替えたい時には物理的に信号ケーブルの差し替え作業が必要になります。
そこで登場するのが バックアップスイッチ。
- A卓とB卓の出力をこのスイッチに接続
- 物理スイッチで「今はA卓」「今はB卓」と信号の流れを切り替える
一瞬で安全に切り替えられるので、特に重要な現場では必須のアイテムです。
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DFD DMXマージャーはDMXポートが2つあります。制御数によってご判断ください。
今回のまとめ
バックアップ卓は絶対に暗転事故を起こさないために必須。
最低限、簡易卓+バックアップスイッチ は備えておくことをおすすめします。
現場の安心感がぐっと違いますよ。