ワイヤレスDMX受送信機
マルチバース Transmitter
[CTI_5911]

ユーザーマニュアル Rev1.02

訳:
裏方屋ドットコム
City Theatrical, Inc(シティーシアトリカル代理店
info@urakataya.com
http://www.urakataya.com
03-5843-4354
電話受付時間 月曜 〜 金曜日 10:00 〜 17:00

目次


1.コンプライアンス
2.安全性に関して
3.ご紹介
 3-1.5911マルチバース送信機の機能について
 3-2.マルチバース送信機の使用理論
 3-3.既に周りに存在する周波数について
 3-4.SHoW IDの選択
4.DMXcatを使用したマルチバース送信機の設定
 4-1.SHoW_IDへのユニバースの割り当て
 4-2.マルチバースノードを受信機として設定する方法
 4-3.マルチバースSHoW Babyを受信機として設定する方法
 4-4.DMXcatを介してデータを参照する
 4-5.高度な設定について
 4-6.その他送信機の高度な設定
 4-7.マルチバースノードの高度な設定
5.マルチバース送信機のメニュー表示
6.特徴
7.同梱される製品について
8.本体表面の表示
9.マルチバース送信機のクイックガイド
10.トラブルシュート

各種機能の説明

1.マルチバースSHoW ID の設定
2.製品仕様/サイズ
3.同梱製品とパーツナンバー
4.トラブルシュート

写真一覧

1.マルチバース送信機の使用理論
2.DMXcatを介してのマルチバース送信機の接続
3.DMXcatによるマルチバース送信機の検知
4.マルチバース送信機のオプション機能の開き方
5.SHoW IDによる全てのユニバース出力ポート
6.DMXcatに表示されるユニバースナンバー
7.DMXcatによるSHoW Keyの設定
8.同梱製品
9.本体表面の表示
10.パイプへの取付方法
11.初期設定によるマルチバースシステムの基本設定

1.コンプライアンス

FCCコンプライアンス・ステートメント(米国)

本製品は連邦通信委員会(FCC)の規定第15条に準拠しております。
使用に関しては以下2つの条件下の対象となります:
 1、本製品は有害な干渉を起こしません。
 2、本製品はあらゆる干渉をも受信し、その干渉が不本意な状況下からの発信であっても同様です。

注意:本製品への変更や改造は明確に許可されてはおらず、コンプライアンスによりお客様自らの判断で行われることは許可されておりません。

IC ステートメント

本製品はカナダ産業省によるライセンス免除RSSに準拠しております。
使用に関しては以下2つの条件下の対象となります:
 1、本製品は有害な干渉を起こしません。
 2、本製品はあらゆる干渉をも受信し、その干渉が不本意な状況下からの発信であっても同様です。

2.安全性に関して

ご使用される前に、説明書全文をよく読んでから本製品をご使用ください。
説明書は必要に応じて見れるよう、しっかりと保管してください。

マルチバース無線DMX/RDMシステムは、知識を持ったプロフェッショナルな方のみが使用されることを目的としております。本製品を吊り込んで使用される場合は、その地域の法規、安全基準に則った使用方法により、実施される必要があります。

マルチバース無線DMX/RDM機器は特別な指定を受けた野外エリア以外は、屋内での使用のみを目的としております。本体は絶対に濡らさず、湿気を避けた場所で使用してください。

日光が直接本体に当たる場所や、高温の環境下での使用は避けてください。設置場所に十分な換気循環があるかどうか、ご確認ください。本体内部を開けてお客様自身での修理はおやめください。資格を持った専門の方にお任せ下さい。

無線周波への干渉について:
送信機として使用される全てのアンテナは、人体およびその他全てのアンテナや送信機システムから、最低でも20cmの間隔を開けてください。

3.ご紹介

City Theatrical社による5911マルチバースR送信機は、無線送受信システムにおける新しい世界を開拓した無線DMX/RDM送信機器です。信号の入力ケーブルはイーサネットケーブルに対応し、ACN(sACN)もしくはArt-Netを現在既に発表されている1つのユニバースを送信する無線送信エネルギーを使用し、2.4GHzバンド帯において、ユーザーによる選択可能な10ユニバースのDMX/RDM無線送信が可能です。

マルチバース送信機はBluetoothに対応し、City Theatrical社による数々の受賞歴を誇るDMXcatへの接続が可能であり、スマートフォンからの制御が可能です。そのため、ユーザーのスマートフォンから、同マルチバースシステム内に接続され、マルチバースモジュールを組み込んだ灯体やマルチバースノードから信号を受ける灯体はもちろんのこと、その他有線にて接続されたダウンストリーム側の灯体を制御することが可能です。

マルチバース送信機はWi-Fiにも対応し、LuminarをはじめとするWi-Fiに対応した、タブレットなどからの遠隔操作が可能な照明制御機器にも対応いたします。

3-1.5911マルチバース送信機の機能について

・多くのDMXデータを少ない送信エネルギーで。
 最大で10ユニバースの送信が可能であり、他の1ユニバース用送信機よりも少ない送信エネルギーでの送信が可能です。

・同時に2つのバンド帯を送信伝達。
 2つの2.4GHz帯を同時に扱うことができます。

・自動ダイナミックリミテッドバースト機能
 マルチバースではパッチされていないDMXスロットを自動で検知し、使用されていないスロットの送信を抑えます。その為、必要のない送信エネルギーを削減することを可能にしました。

・mRDM
 マルチバースはDMX信号の送信に支障を与えることなくRDM情報を送信/取得することができます。この機能は他の有線によるRDMシステムにおいても使用されておりません。

・SHoW Key セキュリテー
 SHoW Keyとは、3つの数字からなるコードであり、マルチバースSHoW IDに加えることで、そのほか同様のSHoW IDを使用したシステムからの干渉を防ぐことができます。

・ロックPIN
 DMXcatを介してスマートフォンから制御する際は、4つのPIN番号の入力が求められます。これによりマルチバース送信機を不用意なアクセスから守ることが可能です。

・最新のエラー検知機能
 受信機によるエラーの検知や、無線送受信間で発生したエラーを集約、表示いたします。

・驚くほど低いレイテン
 平均で4msという大変低いレイテンシを実現しました。

・ユーザーにより調整することが可能な周波数ポッピング方式
 周波数ポッピング方式の調整機能により、ホッピングチャンネルの確認から、同システム内の機器へ向けたマスクオフ、またそれらを別のチャンネルへ置き換えるなどの操作が可能です。

・出力パワーの調整が可能
 無線機器の使用において、時として全ての出力パワーでの使用が可能ですが、エンターティメント業界では、会場の条件や、他の無線機器との干渉を避けながらパフォーマンスを向上させるために、任意でパワーを減少させて使用することが求められます。

・ユーザーにより選択可能なSHoW ID
 City Theatrical社から発表される無線送受信機では、常にその機能を最適化するための機能がついておりますが、本製品にもIDにより全ての帯域幅でのホッピング方式から、それぞれ限定された帯域幅でのホッピング方式へと切り替えることが可能(wifiの帯域幅外も含む)であるため、ユーザーの条件に合わせて最適化を測ることができます。

3-2.マルチバース送信機の使用理論

正常にマルチバースシステムを構築するには、始める前に周波数帯や使用するユニバース、対応するSHoW IDに関するプランを立てる必要があります。
5911マルチバース送信機では10ユニバースの無線送信が可能であり、例えば多くの信号を必要とするLEDのピクセルマッピングに対するキューの送信や、逆にそれほど多くのユニバース送信を必要とはせず、その代わりに長距離への安定した無線送信を必要とする際などにも対応することができます。

写真1マルチバース送信機の使用理論

送信システムを構築する上で、以下の決定が必要になります:
  1. それぞれの送信機から、いくつのユニバースを送信しますか?
  2. どのユニバースを送信しますか?
  3. 使用環境において、スペクトル周波数はどのような現状況ですか?これはユーザーが選択する周波数にも影響する恐れがあります。どの周波数帯を使用するのか、またどのモデルの送信機を使用するのかを、再度お確かめください。
  4. マルチバース送信機からマルチバースノードなどの受信機までの、おおよその距離はどのくらいですか?
  5. ユーザーが無線送信に使用するキューは、一般照明などシンプルなものですか?それともLED灯体、ムービングライト、もしくは客席から直接見える複雑なLEDチェイスによるものですか?
  6. 特別なアンテナは必要ですか?Panel アンテナ、Yagi アンテナは、信頼性の向上が必要な時や、必要のない送信エネルギーをその他のシステムから遠ざける助けにもなります。

3-3.既に周りに存在する周波数について

周波数の波形は目に見えないものであり、テストや検知を行わない限り、どのくらいの無線が既に周りに存在しているのかを確認することはできません。しかし、本製品が持つ本来の信頼性を十分発揮するには、それを確かめるのは大変重要な作業の1つです。
確認手段の1つとして、2.4GHzを使用する送信機器が周りにないか、担当者への問い合わせを行ってください。また、それらが存在する場合、その送信機器、アンテナなどの場所の確認、その使用周波数を確認してください。
また、持ち運びができるポータブルの周波数検知器でのチェックをお勧めいたします。以下は、その便利な機器です。

  • Wi-Spy Chanalyzer / Matageek社による2.4GHz帯スペクトル検知器
  • RF Explorer / Speed Studio社による2.4GHz帯スペクトル検知器

検知作業行い、もし多くの無線がスペクトル上の一つのエリアに集中している場合、SHoW ID(4つの数字から構成)を選択することで、その"Band"選択(周波数帯選択)が可能であり、混在していないスペクトルエリアへと使用周波数を移すことができます。
もし全ての帯域が混んでいる場合は、フルスペクトルホッピング、もしくはAdaptive(順応型)ホッピングを選択していただくか、2.4GHzのみ可能であるextremely high band(最高域型)を選択してください。詳しい内容はSHoW IDチャートをご確認ください。

3-4.SHoW IDの選択

SHoW IDは、City Theatrical社による占有システムであり、同社により開発が進められてきたユーザーの使用環境に応じて適用させる能力を持った無線システムです。ここに記載・集約されている情報を利用し、それぞれ役割を持った番号を4つ組み合わせることで、その現場に合った適切なSHoW IDを選択、決定することができます。
  • 無線周波数
  • 信号レート(送信するユニバース数による)
  • スペクトルホッピングを使用する帯域
  • ホッピングパターン
この選択した組み合わせにより、システムの送信パラメーターを決定します。

SHoW IDのナンバリング方式は以下の通りです。

初期設定ではSHoW ID24250 (無線A)と、24251(無線B)があり、4つのユニバース送信が可能です。

注釈:マルチバース送信機はSHoW DMX NeoのSHoW IDを利用することはできません。
観客から直接見えるピクセルチェイスをはじめとする、多くの信号を必要とし、より多くのユニバースを送信する必要がある場合は、送信機、受信機の距離を短くする必要があります。また、使用環境内でのスペクトルの混み具合によっても左右されます。 もし複数のユニバースの送信を必要としない場合や、2.4GHz無線同士を使用する場合は、こちらの設定方法を参照してください。
RDM機器によるセンサータブを使用することにより、(受信機として使用している)マルチバースノードが受ける信号の強さをチェックすることができます。その際、左の写真のように表示されます。
(信号の強さは、使用環境により左右されます)
受診信号の強さが85%以上の強さを保っていれば高い信頼性を発揮し、40%〜50%でも、なんとか正常に機能致します。マルチバースノードの受信機としての詳しい設定方法をご参照ください。

4.DMXcatを使用したマルチバース送信機の設定

マルチバース送信機において、ユーザーにより使用する2つ無線におけるSHoW IDを決定したら、マルチバース送信機やマルチバースノードのセットアップを開始してください。

マルチバース送信機の設定は、City Theatrical社によるDMXcatとそのアプリケーションでのみ可能となっております。
このアプリケーションは、Google Play StoreやApple App Store、またはAmazon App Store(Amazon Fire用)から無料でダウンロードすることができます。
マルチバース送信機にもDMXcatハードウェアが内蔵されております。

DMXcatアプロケーションをダウンロードしたら、設定に行き、Bluetoothデバイスのタブを選択し、検知されたマルチバース送信機のシリアルナンバーを見つけてください。その後、そのシリアルナンバーを選択していたければ接続完了となります。

写真2:DMXcatを介してのマルチバース送信機の接続



DMXcatの最初のメインスクリーンに戻ったら、マルチバース送信機のアイコンが表示されておりますので、そのアイコンを選択してください。ユーザーが使用するマルチバース送信機が検知されます。

写真3:DMXcatによるマルチバース送信機の検知 (写真は初期設定のSHoW IDです)


写真の矢印を押していただき、オプションスクリーンを開いてください。

写真4:マルチバース送信機のオプション機能の開き方


このスクリーンでは両無線で使用するSHoW IDを選択でき、オプションとしてSHoW Keyの選択も行えます。SHoW IDやSHoW Keyは、送信機とその信号を受ける受信機とで、必ず一致している必要があります。

また別の方法として、モジュレーションから周波数のバンド帯、ホッピングパターン、オプションでSHoW Keyを選択し(SHoW Keyの詳細はこちら)、
SET ID & KEYボタンを押すと、その設定に見合ったSHoW IDが設定されます。

このボタンで無線A、無線Bの選択を行なってください。

SHoW IDを選択後に以下のスクリーンが表示され、全てのユニバース出力ポートが表示されます:

写真5:SHoW IDによる全てのユニバース出力ポート


4-1.SHoW_IDへのユニバースの割り当て

SHoW IDを設定したら、セットアップスクリーンに各ボックスが表示されます。
これらのボックスはユニバースナンバーであり、どの無線に割り当てられたかを表示しております。上の写真で、最初の5つのボックスは2.4GHz無線A、その他5つのボックスは2.4GHz無線Bとなっております。各ボックスにある"U"のアイコンを押すことでユニバースナンバーの編集、またその名称の編集を行うことができます。例えば Truss 1、Electric3など名称を付けることで、どのユニバースがどこに送信されているのか、一目で確認することができます。横向きの矢印を押すことで、接続されている機器を表示するスクリーンへと移動することができます。

ユニバース表示用の各ボックスに表示される項目:
  • その無線のSHoW ID
  • 割り当てられたユニバース
  • そのSHoW IDによるユニバースにおいて、接続されている機器の数(受信機とその先の灯体数)
  • 編集した名称
  • "→"アイコンは、そのユニバースを受信する機器を表示するスクリーンへ移動します。
ユニバースナンバーの割り当てと、名前の編集はここを押してください

写真6:DMXcatに表示されるユニバースナンバー

そのユニバースに接続されている機器を表示するには、ここを押してください

4-2.マルチバースノードを受信機として設定する方法

以上の設定が完了したら、今度は受信機としてマルチバースノードを設定します。
それぞれノードにある本体スクリーンで、マルチバース送信機に設定したSHoW IDと、(SHoW Key使用している場合はSHoW Keyも同様に)一致させてください。

注釈:マルチバースノードは受信機としても機能しますが、設定されているユニバースがマルチバース送信機(もしくは送信ノード)から送信されていない場合、そのユニバースはイエローに表示されます。

マルチバース送信機(もしくは送信ノード)との設定が正常に行われると、マルチバースノードのSignal Quality Barが点灯します。送信機から信号を受けた段階で右上のRX表示の点滅が止まり、そのまま点灯し続け、マルチバースノードに接続された灯体は設定されたDMXをもとに照明卓やDMXcatをはじめとするRDM機器での制御が可能となります。

4-3.マルチバースSHoW Babyを受信機として設定する方法

マルチバースSHoW Babyはマルチバース送信機に対し受信機として使用することができます。ただしSHoW Babyの初期設定でのSHoW ID (201)は、SHoW DMX Neo SHoW IDと同様に、マルチバース送信機に対しては使用できません。
そのため、SHoW Babyをマルチバース送信機に使用する際は、DMXcatドングルをはじめとするRDM機器を接続していただき、設定変更を行ってください。

マルチバースSHoW BabyのRDM設定が可能になりましたら、Device Details, Manufacture Settings,へ進み、SHoW IDの変更(SHoW Keyを使用していたらSHoW Keyも同様に)変更していただき、Endpoint Settingsからユニバースを変更し、ユニバースナンバーや2.4GHz無線設定を一致させてください。
SHoW BabyによりSHoW IDの使用が開始されると、ID/Dataライトがブルーに点灯します。

注意:マルチバースSHoW Babyは、2.4GHz帯のみ使用可能です。

4-4.DMXcatを介してデータを参照する

設定の最中や、設定後もDMXcatの接続を継続させることができ、DMX アドレスの変更やトラブルシュート、フォーカス、その他の照明機器に関する作業をすることができます。以下、メインスクリーンで表示されるデータの詳細です。
1番上の矢印:受信機を含め、マルチバース送信機からの2つの無線へ接続されている機器全ての合計数を表します。(受信機数、灯体数の合計数を表示)


真ん中の矢印:“Device Count"は、それぞれのユニバースに対し、接続されている受信機、灯体数の合計を表します。


1番下の矢印:横向きの矢印を押すことで、そのユニバースに対する各受信機の設定画面へと移動できます。
この写真ではマルチバースノードへ、ユニバース14が割り当てられ、SHoW IDは24251となっております。

横向きの矢印を押すことで、このマルチバースノードに接続されている各灯体の設定へと移動できます。
このスクリーンでは、1台のColorSouce Spotがマルチバースノードへ接続されていることを表し、そのDMXアドレスは127です。

DMXコネクターのアイコンを押すと、灯体の各パーソナリティが読み込まれ、表示されます。(以下の写真に掲載)

RDMのアイコンを押すと、その灯体におけるRDMメニュー全てを表示いたします。

電球アイコンを押すと、RDMの識別機能により、灯体が点滅するなど、複数の方法により、選択されたのがどの灯体なのかを識別することができます。
このスクリーンでは、ユーザーは直接灯体の制御できます。

この時、操作したDMXの値は、照明卓から送られてくる信号よりも優先されます。そのほかのDMX値は、照明卓からの信号を維持します。

4-5.高度な設定について

SHoW Keyの設定

例えば隣接する劇場など、もし2つのCity Theatrical社によるシステムを近くで使用する場合、2つのシステムが同じSHoW IDである可能性があり、予期せずお互いのシステムを操作してしまう場合があります。SHoW Keyは、不用意な外部からの操作からシステムを守るための、3つの数字から構成されたロック機能です。
SHoW KeyはメインのTransmitterスクリーンから設定を行うことができ、マルチバースノードやSHoW Babyにおいては、Manufacture Settingsスクリーンから設定を行うことができます。設定可能範囲は0-500までで、初期設定は0(オフ)です。

写真7:DMXcatによるSHoW Keyの設定

4-6.その他送信機の高度な設定

その他送信機の高度な設定
RDMのアイコンを押し、送信機のRDMメニューへ行った後(上記写真)、
以下の表示を押していき、Manuf. Settings 画面まで進んでいってください。

→Sub Devices
→RDM for Sub Device1 もしくは Sub Device 2 (2つの無線を使用している為)
→Manuf. Settings

以下メニューの詳細です。ここでさらなる詳細な設定が可能です。

・電波の出力パワー
初期設定はMAX(最大)になっておりますが、その他3つのレベルに調整することができます。出力パワーを減少させることで、周波数帯の中での使用範囲の削減や、余計な干渉を避けることで信頼性の向上にもつながります。

・アンテナ
もし同梱されているOmni アンテナではなく、Panel(P/N 5981) やYagi(P/N 5982)を使用する場合は、メインニュー画面からその機能の最適化を測ることができます。また、それに応じたFCCコンプライアンスやその他無線に関するコンプライアンスの注意も表示致します。Panel(P/N 5981) やYagi(P/N 5982)を使用する場合、アダプターケーブル(P/N5638)が必要となります。

・最新のエラー検知機能
受信機でのエラー検知が可能であり、信号状況の詳しい状況を表示致します。
送信データ量が多い場合、送信できるユニバースは減少します。データ量の削減は最大で50%,中域で33%,最小で25%です。送信機での使用時にのみ設定可能であり、初期設定でのデータ削減レベルは0(オフ)です。

・mDMX
使用しているスペクトル範囲に対して、劇的に減少させた送信エネルギーを使用している場合で、その信号の正確性を向上させたいときに使用することをお勧めします。送信機で使用時のみに設定可能です。初期設定はオンになっております。

4-7.マルチバースノードの高度な設定

マルチバースノード、パワー、アンテナ、SHoW Key、エラー情報などは、それぞれのインターフェイススクリーンにおける “MENU"ボタンを押すことで、設定を変更できます。

Tx(送信機)モードの場合、さらにいくつかの設定変更が可能です。

・マルチバースノードは、送信機からのRDM機能によりいつでも検知可能です
しかし、ノードから先のダウンストリーム側へのRDM通信のオンオフも、ここで切り替えることができます。ノードに接続されているRDM通信対応機器を検知するには、RDM機能がオンになっていなくてはいけません。
初期設定はオフです。

注意:マルチバースノードを送信機として使用する場合、受信機として使用するマルチバースノードを検知するためには、同じく送信機側のRDM機能もオンにする必要があります。

・バックライトの自動オフ
ノードのスクリーンにおけるバックライトは、そのまま点灯を継続する設定や、設定された時間で自動オフに設定することもできます。初期設定は30秒です。

・バックライトの明るさ調整
バックライトの明るさは調整することが可能です。範囲は1%〜100%
初期設定は100%です。

5.マルチバース送信機のメニュー表示

マルチバースの全設定項目へアクセスするにはCity Theatrical社のDMXcatによるRDMを介した接続が必要です。
このアプリケーションは、Google Play StoreやApple App Store、またはAmazon App Store(Amazon Fire用)から無料でダウンロードすることができます。
マルチバース送信機にもDMXcatハードウェアが内蔵されております。

送信機を設定するためのメインスクリーン

DMXcatのメインスクリーンに出てきたマルチバースアイコンを押すと、この写真の画面に移動することができ、送信機の設定を開始することができます。

下側のブロックでは、その無線に割り当てられたSHoW IDとユニバースナンバーが表示されます。それぞれのボックスにある"U"のアイコンを押すことで、そのユニバースナンバーを変更することができます。
横向きの"→"アイコンを押すと、そのユニバースを受信する受信機の設定画面へと移動できます。

ユーザーにより、各ボックスの名称を設定できます。

各ボックスは、その先に接続された機器の数(受信機を含め、ダウンストリーム側に接続された灯体をはじめとするRDM対応機器の数)を表示します。

スタートアドレスや、ユニバースが設定されていないノードを検知すると、"Unconfigured"と表示されます。

右上の三つの点で表示されたアイコンを押すことで、その他の設定を行うことも可能です。
下向きの矢印を押すことで、送信機のオプション機能表示を開くことができます。

電球アイコンを押すと、RDMによる灯体識別機能へと移動します。
選択されたのがどの灯体なのかを識別できるよう、0.25秒の間隔で選択された灯体は点滅します。


それぞれの機器の名称や、無線 (AまたはB)は、ユーザーにより名称変更することができます。SHoW IDにおいても、その下のModulation(モジュール)、Band(使用するバンド帯)、Hop Sequence(ホッピングパターン), SHoW Keyなどを設定することで、その設定に見合ったSHoW IDが選択されます。


無線A、無線Bの選択を行い、それぞれのSHoW IDを設定することができます。

右上のRDMアイコンを押すことで、接続された機器の詳細な設定画面へと移動できます。(下に記載)

BASIC INFO (基本情報)

機器のメニューは7つの画面で構成されております。
BASIC INFOはその機器のモデルを表示し、Device Labelで名称の変更ができます。

PROD. INFO(製造元情報)

その機器のモデル、製造元を表示します。
Device Labelで名称の変更ができます。
ソフトウェアバージョンや、ブートソフトウェアバージョンを表示します。
“RESTORE FACTORY DEFAULTS"を押すことで、全ての設定を出荷時の初期設定へと戻すことができます。

この写真には表示されていませんが、RDMのUIDも表示します。

CONFIGURATION(機能構成)

このスクリーンでロックPINの設定を行うことができます。
これによりマルチバース送信機を他のDMXcatによる不用意なアクセスから守ることが可能です。

PIN番号は、0001から9999の範囲で設定可能です。0000を入力すると、PIN設定を無効にできます。

PIN番号のハードリセットが必要な場合は、送信機のイーサネットポートの横にある小さな穴の中のスイッチを押してください。

注意:このスイッチを5秒以上長押すと、送信機の全ての設定が出荷時の初期設定へとリセットされます。

IP SETTINGS (IPアドレスの設定)

選択されているインターフェイスの表示。

現在のIPアドレス。

現在のセットマスク。

DHCPの有効/無効の切り替え。(初期設定は有効)

DHCPの状況

Zero-configuration モードの有効/無効の切り替え。(初期設定は有効)
メインネームの表示。ユーザーにより名称変更が可能です。
初期設定:Local

固定ネットマスクの表示。ユーザーにより名称変更が可能です。

初期設定のルート表示(eth0)。ユーザーにより設定変更可能。

優先するDNS(Domain Name System)の設定。ユーザーにより設定変更可能。

注意:設定を変更したら、下にある"Apply Configuration"を押し、変更を適用させてください。
ハードウェアのアドレス(MAC Address)の表示。

変更を適用する"Apply Configuration"ボタン

DHCPの解除

DHCPの更新

ENDPOINT DETAILS (エンドポイントの詳細)

このスクリーンは、送信機のメインスクリーンとほぼ同様の内容が表示され、
SHoW IDに割り当てられたユニバースナンバーが確認でき、
(無線A、無線B、ともにここで確認できます)名前の変更も行えます。

SUB-DEVICES (サブデバイスの表示)

このスクリーンでは、それぞれ両系統の無線の詳細な制御を行うことができます。
(Sub Device1 とSub Device2 )
RDM機能により、このスクリーンから以下の画面へ移動できます。

  • BASIC INFO (基本情報)
  • PROD. INFO(製造元情報)
  • SENSORS(センサー)
  • MANUFACTURE SETTINGS (初期設定)

この4つの項目に関しては、下記でご説明します。

SUB-DEVICES 〜 BASIC INFO (基本情報)

無線タイプの表示。

SUB-DEVICES 〜 PROD. INFO(製造元情報)

無線タイプの表示。

製造元の表示。

無線のファームウェアバージョンの表示。

無線のブートファームウェアバージョンの表示。

SUB-DEVICES 〜 SENSORS(センサー)

現在使用しているDMXを、使用可能容量に対して%で表示します。

SUB-DEVICES 〜MANUFACTURE SETTINGS (初期設定)

SHoW ID設定(送信機メインスクリーンと同様のものです)

無線出力パワー設定。初期設定はMAX(最大)

アンテナ設定。初期設定はOmniアンテナ

SHoW Keyの設定。
SHoW IDを不用意な外部アクセスから守ることができます。
(送信機メインスクリーンと同様のものです)
設定可能範囲は0-500までで、初期設定は0(オフ)です。

エラー検知機能設定
受信機でのエラー検知が可能であり、信号状況の詳しい状況を表示致します。
送信するデータ量の削減は、25%ずつのDMX数の削減が可能。
初期設定でのデータ削減レベルは0(オフ)です。

mDMX設定
劇的に減少させた送信エネルギーを使用し、その信号の正確性を向上させたいときに使用することをお勧めします。
初期設定はオンです。

MANUFACTURE SETTINGS (初期設定)

(送信機のメインスクリーンより)

送信機のMAC アドレスを表示。

Wi-Fi SSDIを表示。ユーザーにより設定変更が可能です。
初期設定はMVWIFI

Wi-Fi WPA2 パスワードの設定。ユーザーにより設定変更が可能です。
初期設定はmultiverse

Wi-Fiモード
初期設定はオフ。

Wi-Fi チャンネルを表示。ユーザーにより設定変更が可能です。
設定範囲は1〜11。

Wi-Fiのファームウエアを表示。

6.特徴

製品仕様/サイズ
製品名 マルチバース送信機2.4GHz
パーツナンバー 5911
送信可能な最大ユニバース数 10
周波数範囲 2400-2480MHz
サイズ
長さ 196.9mm
101.5mm
高さ 47mm
重量 0.57kg
構造 ダイキャストアルミニウム製
コネクター
アンテナ RP-SMA メス口
ACコネクター パワコンTRUE1 入出力
DCコネクター ロック付きDCジャック 5.5mmx 2.1mm、センターポジティブ、結合部の深さ12.1mm、イーサコン
機能性
Wi-Fi 802.11 b/g/n
インターフェイス DMXcatアプリケーション(iPhone, Android, AmazonFire)の無料ダウンロード
バージョンの制御 無料のファームウエアによるアップデート。City Theatrical社による製品ウェブサイトに記載。
RDM構成 RDM通信による制御
RDM機能 RDM プロキシ, RDMレスポンダー
電源
高電流入力 100VAC〜240VAC 50/60Hz
低電流入力 5-30VDC
POE クラス0
最大容量 0.5W
無線技術
レイテンシ 4ms (平均)
RF感度 -95dBm
信号喪失時 出力停止
無線送信パワー 3.2mW、10Mw、32mW、100mW
送信モード Adaptive(順応モード) ,Full, Low, Mid, High, Max
DMXバーストモード 自動ダイナミックス
SHoW ID 147
対応プロトコル
Art-Net、DMXcatを介したRDM ANSI E1.20
Art-NetT、Art-NetU、Art-NetV
製品情報
使用環境 屋内
仕様環境温度 0℃〜40℃
保存環境温度E -40℃〜85℃
IP IP50
コンプライアンス FCC,IC,CE

7.同梱される製品について

番号 名称 パーツナンバー
1 マルチバース送信機2.4GHz 5911
2 吊り込みブラケット用プレート 5974
3 N5-15P〜パワコンTRUE1, 14AMG 18インチ 5840
4 アンテナ、Omniブロードキャスト2.4GHz、4dBi 5880

8.本体表面の表示

パイプへの取り付け方法

9.マルチバース送信機のクイックガイド

ここでは、マルチバース送信機と同時に受信機として4台のマルチバースノードを使用した基本的な無線システムの設定方法を掲載します。
以下、システムのレイアウトであり、全て初期設定からスタートします。
  1. 受信機が正常に信号を受信できる範囲内で、適切な場所にマルチバース送信機を設置してください。送信機、受信機ともに観客の頭上(もしくはバリケードなどの障害物)を超える高さに設置してください。その際、お互いの設置場所から目視しあえる状態が理想的です。送信機と受信機のアンテナをまっすぐ垂直にし、互いに平行になるよう調整してください。
  2. 照明卓からイーサネットケーブルを介したストリーミングACN、もしくはArt-Netの信号出力ケーブルをマルチバース送信機に接続してください。
  3. マルチバースノードを適切な場所に設置してください。その際、送信機との間に障害物がない場所をお選びください。受信機を舞台美術の柱の中やそのほかセット内に組み込むことも可能ですが、その場所に適度な換気があることと、組み込む物の素材が無線電波をブロックしないことをお確かめください。例えば、鉄製の物、ガラス、水などは無線受信の妨げになる恐れがあります。送受信の信頼性向上のため、客席頭上よりも高く、直接目視しあえる場所への設置を心がけてください。
  4. マルチバースノードのDMX出力ポートから制御する灯体へDMX接続を行ってください。通常のDMX接続と同様であり、DMXアドレスの設定も行なってください。必要な際は末端の機器にターミネーションの接続を行なってください。
  5. マルチバース送信機の機能設定を行う。
    1. 送信機の電源を入れてください。
    2. DMXcatアプリケーションから送信機と接続してください。使用している送信機のシリアルナンバーがSettingsメニューのDevice Listに表示されるので、選択してください。表示されない場合は、"SCAN"を押し、再度検知を行なってください。
    3. 送信機と接続されたら、メインメニューにマルチバース送信機のアイコンが表示されますので、選択してください。
    4. もし初期設定のユニバースナンバー(1、2、3、4)を入力されるユニバースとして使用しない場合は、変更してください。その際、送信機と受信機の両方のユニバースナンバーを変更、一致するようにしてください。
    5. 必要に応じ、SHoW Keyの設定を送信機、マルチバースノードの両方に行なってください。
    6. 送信しないユニバーススロットを0に設定し、必要のない信号を削減してください。
    7. もしまだユニバースの設定されていないマルチバースノードを、受信機としてさらに追加する場合は、送信機側のメインスクリーンに"Unconfigured"のボックスが表示されます。
    8. システムのテストを行なってください。

10.トラブルシュート

症状 解決法/チェック項目
電源ケーブルが正確に挿入されているかチェックしてください
他の機器使用し、その電源が生きているか確認してください
受信機に接続した灯体が動作しない 送信機、受信機それぞれTx、Rxのアイコンが点滅せずに表示されていることをご確認ください
送信機、受信機の間で、同一のSHoW IDとSHoW Keyを使用していることをご確認ください
送信機、受信機の間で、ユニバースナンバーが一致していることをご確認ください